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エイジング・イン・プレイス 自宅でできるだけ長く自立して安心安全快適に暮らすために!

2024年度 性能向上リノベデザインアワード 特別受賞
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  • 構造木造在来2階建て
  • エリア首都圏
  • 既存築年 1992年 (築33年)
  • 改修竣工年月2024年5月
  • 敷地面積116.71㎡
  • 延床面積125.03㎡
  • 金額 900万円~1,000万円

断熱

等級
4
省エネ地域区分
6地域
UA値
改修前 1.84w/㎡・K
改修後 0.61w/㎡・K
(改修前の3.00倍に向上)

定年まじかのお施主様築32年の生まれ育ったお住いは冬はいくつも暖房をつけても底冷えがし、夏はエアコンを強運転しなくてはならず、内壁のカビの問題やコンセントやスイッチからの寒風の侵入に悩んでおられました。何故寒風が入りカビが生え暖冷房が効かない理由と断熱気密の不足の事、特に冷気が足元から入る原因の気流止め不足の説明と解決法、これから始まるシニアライフを楽しむためには一階での暮らしを充実させておく事で老後の不安をなくし、一日でも長くご自宅で快適に暮らして頂きたい旨(エイジング・イン・プレイス)につながりますとお話してお付き合いがはじまりました。床の不陸の多さそして少しでも耐震性能向上を図るため、DKと洋室をワンルームとしてとらえ予算を抑える為外部の壁はいじらず、部屋内側のみをスケルトンにして、床壁天井の6面断熱と可能な限りの耐震補強、そして一階の床下全ての断熱補強の提案となりました。開口部の断熱は先導的窓リノベSグレードを活用して内窓と寒さがひどいジャロジー窓と玄関をカバー工法で、6面断熱と一階床下はウレタン90ミリ吹付断熱を施しました。リノベ後は燃焼系暖房でなく、2台あったエアコンの位置を変え一台で済むように位置替え、そしてウレタン断熱で気密性能が上がりましたので、パナソニック個室用ダクトレス第一種換気を採用しました。耐震性能は既存金物を活かし増締めの上で、筋交い及び柱脚金物の追加、水平力強化のための火打を増設しました。お施主様には、6面ゾーン断熱された部屋は元より他の一階も内窓と床下吹付断熱をした事で、引戸等をあけ放ってもエアコンの効きが全く違うとプレゼントした温湿度計ミソルの画像を嬉しそうに送って頂きました。理想は全ての部屋ですが主要な部屋のゾーン断熱 +1F床下断熱は予算に限りがある中で、暮らしの改善、健康寿命貢献につながる事を確信できる工事となりました。

After リノベーション後

⑤旧和室部の6面ウレタン断熱状態です。天井部は2階の床の断熱を兼ねています。床柱の脇が仏壇スペースで、その上が新しいエアコンスペースです。細長い部屋を長辺方向に1台のエアコンで済ませるように計画しています。
同じく④番の出来上がりのサーモ画像です、11月30日でもう冬本番ですが、台所9帖と洋室8帖を一台のエアコンでまかっなっている状態です。 一番遠いカバー工法FIX窓部框が一番低く14.5度、でも床面は19度ありと工事前の漆黒から熱源の白の状態から比べると大分マイルドなオレンジ色に近づいています。6面断熱 1F床下断熱の効果と考えています。
⑤番の方から見た今の暮らしの状態の写真です。 インタビュウに伺った時の物です。仏間の上のエアコンが2部屋をしっかり長手方向に冷やすエアコン1台です。予備のエアコンコンセント、スリーブは設けてありますが、必要ないとの事です。6面断熱 1F床下断熱、内窓が機能して、夏は廊下引戸を開けはなし1階全体を過ごしやすい気温にできると喜んで頂いています。暮らし方としては収納を二か所に増やし、使い勝手良く収まり、オークの杢の床板もはだしが気持ち良いと言っていただきました。
6面断熱及び気流止め 内窓等で気密性能があがったため、燃焼系暖房はNGにさせていただき、パナソニックのダクトレス換気 FY-30KWをいれました。サーモ画像を見るかぎり、しっかり熱交換できているようです。お施主様は中々換気まで頭がまわらないので、しっかりこちらから提案しています。ゾーン断熱改修や、一部屋断熱にはこのダクトレス第一種換気はこれからも重宝していきそうです!
お引渡し時にお施主様にプレゼントした、ミソルです。9/8に施主様より送られた画像です。外気温は32.7度、ゾーン断熱したエアコン側の洋室部は27度、台所部は26.5度、引戸を開け放しの廊下部は28.4度、となっています。 間歇運転ですので、グラフが一直線とは行きませんが、エアコン26度設定で1階中が暮らしやすく保たれています。サーキュレーターなどを上手く使えばもっと均一なりますとアドバイスしました。
東側の諸悪の根源ジャロジー窓は、光が入れば良いとの事で、FIX窓のカバー工法(Aグレード)で仕上ました。これで埃も虫も冷気、暖気もの心配もなくなりました。ジャロジー窓は内窓だけでは対処できませんので、内側より断熱材を入れて窓無にするか、カバー工法にしないと、他の窓の性能(SG 内窓LOW-E複層アルゴンG入)との差で断熱不足、結露等の心配となります。特に浴室のジャロジーはヒートショックの種です、もうメーカーには売って頂きたくない窓だと思います。ジャロジ―根絶を目指します!

Before リノベーション前

④工事入る前の今年の1月に現地調査の際、サーモグラフィの調査もしました。やかん有の燃焼系ストーブに電気温熱機等採暖中心の暮らし方でした。足元がかなり冷え込んでいました。
工事前サーモ画像です(5度~35度で設定)、台所の奥床漆黒部は7.8度、ストーブ側の壁が17度、更に台所奥までは全然暖気が届かずまた、床はかなり冷え込んでいます。
ストーブの後ろ壁のカビ部です。気流止めがなされてないので、やかんの蒸気等が床下からの冷気に冷やされて結露してカビが発生しております。これでは、寒い、暑いだけでなく健康被害が心配です。
⑤台所側から和室を望んだ写真です。物があふれ且つ床の間も仏壇のみでスペースに無駄があります。エアコンも台所と和室と2台使いになっていて省エネも改善しなくてはならないと思いました。収納をとっても8帖あるので、脚が悪くなっても一階で過ごせるようなスペースを残しました。
⑥既存の床下の状況です、土は良く乾いていますが、無断熱ですし、床は1重、当然気流止めもなされていません。寒いわけです。 ネタ工法の住まいが全盛期ですのでほとんど家が気流止めがなされていないと思います。
既存台所東側のジャロジー窓です。ジャロジーは諸悪の根源の窓です。夏はエアコンの冷気が逃げ、暑い空気が入り、冬は暖気が逃げ、冷気が入ります。この窓だけは、内窓では対処が足りないので、カバー工法窓で対応します。

Process リノベーション施工中

③筋交いや耐震金物で増強補強した後に床剛床部に下地28ミリ合板を張り、天井野縁を組み、ウレタン90ミリを吹き付ける準備ができました。 佐藤先生が石川を見て崩れなかった家の一部には、リフォーム時に勝手に大工さんが耐震補強をしておいたことで残った家があったと言っていた事は頭から離れず、ゾーン改修でも、やれる補強は数値に表せなくても必ず施すようにしています。
④ウレタン90ミリを吹き付けた状態の台所部です。6面断熱は、家の中に別の高断熱住宅があるイメージです。
②天井部は二階の床もかねてウレタン断熱補強しますが、水平力補強の火打等を足した後にベランダや下屋部分にウレタンが逃げないよう、天井、壁の事前に塞いでおきます、大事な作業です、これでウレタンを吹けばしっかり気密性能も確保できます。
①外部はいじらないで予算を内側に集中させました。かなり既存の床の不陸があり、ゾーン断熱部は台所と和室が平できましたが、既存廊下との取合が大変でした。また床剛床部の熱橋を考慮し、後から床下よりウレタンを吹付を吹付ました。
⑤旧和室部の6面ウレタン断熱状態です。天井部は2階の床の断熱を兼ねています。床柱の脇が仏壇スペースで、その上が新しいエアコンスペースです。細長い部屋を長辺方向に1台のエアコンで済ませるように計画しています。
⑥床下からウレタン90ミリを吹き付けた状態です。 しっかり壁内部への気流止めがなされ、大引きやネタなどの木部も一緒に吹き付ける事で、熱橋の問題も解決し、断熱性の向上をはかりました。

Point 技術的なポイント

予算を抑えるために内部のみから工事でしたが、内側をすべてスケルトンにし、断熱改修だけでなく、2階を支える一階部の”取り合えず耐震補強”(筋交い、火打、耐震金物等)もできました。

Plan 間取り

タイルだったお風呂のみ高断熱浴槽ですでにリフォーム済みでした。和室8帖(収納2帖) DK9帖をLDKとして19帖のゾーン断熱(6面全方位断熱)を施しました

Before リノベーション前

After リノベーション後

Company 企業紹介

一級建築士事務所(有)神木工務店