耐震を考える
安心して
暮らせる家は10%
木造戸建て住宅において90%以上が、地震で倒壊の可能性がある・可能性が高いという診断結果で現行基準を満たせていません。
地震に備えて安心して暮らせる住まいは、わずか10%しかありません。
現行基準を
満たしている家はわずか
木造住宅の耐震診断結果 1950年~2000年5月までに建築された住宅
木造住宅の耐震診断結果(2006. ~ 2021 年の間に耐震診断を行った27,929 棟)
出典木耐協2021.3.「木耐協調査データ」のデータをもとにYKKAP が作成
参考京都大学増渕昌利2012 年「建築基準法に基づく完了検査実施率の向上に関 する研究」
“耐震診断”とは?
耐震診断とは、建物を調査した上で、地震の揺れにより倒壊するかしないかを見極める判断 方法です。木造住宅の耐震診断は、「木造住宅の耐震診断と補強方法」(財団法人日本建築
防災協会)が広く利用されており、「誰でもできるわが家の耐震診断」、「一般診断法」、「精密 診断法」の3つの方法があります。
「一般診断法」及び「精密診断法」では、木造住宅が大地震の揺れに対して倒壊するかしない かを上部構造評点の結果より、下表のように判断します。建物が必要な耐震性能を満たすに
は、上部構造評点が1.0以上である必要があります。言い換えると、一般的に上部構造評点 1.0以上であれば耐震性を確保しているという判定になり、上部構造評点1.0未満の場合は、
耐震補強等が必要という判定になります。
- ※耐震診断の評点は、倒壊するかしないかを保証するものではありません。
- ※既存木造住宅の上部構造評点1.0、1.25、1.5は、品確法においての耐震等級1、2、3レベルに相当します。
- ※地震保険の耐震等級割引と耐震診断割引は異なります。各保険会社にご確認ください。
上部構造評点1.0以下は
地震で倒壊する可能性が高い
性能向上リノベーションでは、住み続ける性能を確保するために、上部構造評点1.5以上を目指しています。また、耐震性能を非破壊で実測できる技術もあり、耐震診断に役立てていただけます。
リノベーションで
耐震性能をあげる
中古戸建てであっても適切にチェックして耐震改修を行うことで、建物の長寿命化や、耐震性を 向上させることができます。
また、新築時の問題点を改善し、現在のニーズに合わせてプランを変更できることもメリットです。
耐震は自分だけでなく、
地域のためでもある
地震が起きると、耐震性能が低い住宅は道路を塞いだり、隣の家を押しつぶしたりします。津波 から避難しようとしても通れず、救急車が助けにいこうとしても、道路が塞がって助けられない、 ということが起こります。「自分の家だから耐震性能が低くてもいい」ということではなく、地域防災 の視点で、安全を確保することがとても大切です。
※熊本地震では、地震で壊れることのなかった耐震等級3相当の 家を、倒壊した家が破壊してしまったこともありました。
地震が起こっても
住み続けられる
住まいとは
2000年基準は倒壊・崩壊の防止には有効ですが、1度耐えられることが前提で、その後の繰り返す地 震までは想定されていませんでした。
熊本地震では、震度7が前震・本震と繰り返し起きました。しかし、耐 震 等3の 木造住宅は、無被害または軽微な被害であったため、安全に住み続けることができると考えられます。
大きな地震の度に、
より基準が厳しく
地震の度に基準が見直され、最近では大きな揺れが 繰り返されることでの損壊状況もわかってきました。
あなたの家はどの年代にあてはまりますか?
2000年より以前の建物は基準が古く、倒壊の危険性が高まります。
また、2000年以降でも耐震等級3で建てられているかどうかで大きく損壊状況が変わるのです。
- 一般社団法人くまもと型住宅生産者連合会耐震等級3のススメ(作成協力:エコワークス株式会社)を元にYKK AP が作成
- ※1 出典:国の熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会 報告書より
- ※2 7棟のうち3棟は接合部仕様が不十分であり、1棟は敷地の崩壊、基礎の傾斜等が確認されました。
- ※3 参考資料:ヤマベの木構造 著者:山辺 豊彦
- ※4 2棟は小破と軽微に留まり、手直し後住み続けることができています。
地震は何度でもやってくる
日本ではマグニチュード3以上の地震が毎月400回以上起きており、国内の活断層の数は約2,000とされています。
気象庁が「国内では地震が発生しないところも、大きな地震が今後も絶対に起きないところもない」と発表している通り、私たちは常に地震の脅威と隣り合わせで暮らしているのです。
出典 : 気象庁HP「よくある質問集」